端渓硯 老坑・坑仔巌・・・、広東省地砿局提供 広東省肇慶市 端硯 地質調査報告書

(広東省地砿局提供 広東省肇慶市 端硯 地質調査報告より)
 
 
老坑 15度から30度の傾斜角で層状かそれに近い形状で分布、層は豆の鞘や小型のレンズのような形状をし、浸食されたような比較的平板な面状に分散する。 砿層下部の灰色の泥質岩には押し出されたような灰色と黒色の鉄質の細長い模様がある。
成分は主として鉄水雲母を含んだ頁岩で、他に泥質岩や泥質板岩もある。
つまり、老坑は、山の下部から上部へと山の隆起角度に沿って層を形成し、山裾では15度、上部になるほど30度に近い急角度になり、断続しながらつながっている。
坑仔巌 層状に近い形状で30度から35度の傾斜角で分布する。
形は小型のレンズのような斜層を成している。
また灰色泥質岩と赤紫色の鉄分を含んだ泥質青岩が交互にリズミカルに層を成している。
成分は主として鉄質を含んだ頁岩で、他に粉砂を含んだ泥質岩もある。
坑仔巌は老坑からの石層が山の内部で断続しながら延びていき、採掘場所が山の中腹よりも上部にあるので、採掘層の角度は35度と更に増していくのです。
坑仔巌と同じ山の、頂上に近い東南斜面には古塔巌があります。
(老坑は山の北西の山裾・坑仔巌は北西斜面の中腹です)
古塔巌の成分も鉄質を含む頁岩で坑仔巌とほぼ同等の性質をしています。
 

以下は「広東省肇慶市 端硯 地質調査報告書」によるものではなく鉱物学的な知識「0」、の私山口j一(山口そう一)の感覚的見方です。
端渓  
輝緑凝灰岩 : 端渓硯の姿・形から受ける石の感覚と輝緑凝灰岩の言葉から受ける石の感覚には違和感がある。
端渓硯の視覚・手に触れる触覚共にその感覚はスレート(粘板岩)を想起させる。

端渓は「輝緑凝灰岩」である、と聞いた時多くの人は端渓の状態(⇒石密度や岩石としての様子・・・)を「石密度、石表面の視覚的状況」共に実際の端渓硯よりもズーッと粗であり雑である、と捉える。
多くの人が感覚的に捉える「輝緑凝灰岩」の状態より現実の端渓各坑硯は高い密度を持ち視覚的にもシッカリとした質感を持つ。

端渓が輝緑凝灰岩であるとしても「輝緑凝灰岩」が現在も続く端渓採掘地の端州地下深くで、まだ生物が地球に現れていない太古から大地の圧力を受け続けこれら「堆積岩」の中でも密度が特に緻なる状態に育った頁岩、と言える。

そして端渓の多くは「感覚的」な意味で頁岩の範囲に入れるのがより的確な区分けであると考える。
※頁岩⇒堆積岩の一種。
      細かい粒子=泥が水中で水平方向に堆積してできた岩石のうち堆積方向に沿い薄く層状に割れやすい性質がある石。
                    
 


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