端渓 などの硯で言う
山傷(ヤマキズ)? / 石嶺(セキレイ)? / 鉄線 テッセン」 ??
端渓〜13 主な端渓の産出坑〜 /    商品−硯トップへ /  みなせトップへ 
硯の山傷(ヤマキズ) 
ごく一部の硯材以外の、ほとんどの硯素材は「天然の岩石」であり、その多くは堆積岩、粘板岩や層をなした頁岩(けつがん)でスレートに属するものです。
日本でも、古来「粘板岩≒頁岩」をスレートと呼び瓦などの建材、硯や砥石の材料として用いてきました。
雄勝石 那智黒石 高田硯 雨畑硯 赤間硯などが日本の代表例です。
岩石である「硯」の表面にあらわれる、或いは硯を貫通し、あるいは断続しながらも連続する、その硯の他の箇所とは異なる石質や微少空洞などを「山傷(ヤマキズ)」「石嶺(セキレイ)」などと表現することがあります。
一般商品では瑕疵ある「キズ」とみなされる状況も、他のほとんどの硯で、特に端渓硯においては、
天然素材であることに加えて、硯としての基本性質が特に優れている代表的な「端渓」採掘各坑の「硯材」ともに、少なからぬ割合にて一般的な商品においては「キズ」とみなされる部分、「その硯の多くの部分とは異なる石質部分」が硯石に混在する例が多い。
異質な部分を含むにも関わらず「硯」に求められる基本性能「磨墨性の佳さ」「撥墨域の広さ」など総合的判断により、「一般商品ではキズ」とされる状況も伝統的に「山傷=ヤマキズ」と呼び、端渓硯における「山キズ」は「瑕疵あるキズとはみなさない」とされ、今に至ります。 
硯材として、基本的に最重要な質=「磨墨性」と「撥墨域の広さ」に優れた「石密度を含む石質」の基本を離れ、硯面の外観的要素「石紋」の「現れ方」を「一番の値打ち基準」とする見方、これら「見た目≒外観」判断にて下す端渓の価値を位置づけ鑑定する鑑定家と称する方々が多い中、「石紋の顕れ方」に加えて、一部の「山キズの現れ方・様子」による命名、一例として「虫=虫蛙(ちゅうちゅう)」などと名付けられたものなどを端渓鑑賞の有効な要因の一つとする、硯の「様子≒外観」鑑定もあります。
前述≪石嶺(せきれい)≫は、
硯の中を貫通、あるいは断続しながらも連続し、その硯の他の箇所とはヤヤ異なる固さを持つ石質で、作硯にあたり丁寧に仕上げても周辺との硬度差によるなだらかな「線状起伏」、例えて言えば山脈のように感じられる部分が残ります。
この部分を「石嶺(せきれい)」、「石嶺」より硬度が高くあたかも金属が混入しているように感じられる場合は「鉄線テッセン」と呼び、鉄線を持つ硯は「明らかな瑕疵」の対象となります。
いずれも磨墨へ実影響はほとんどありませんが、磨墨感に多少の影響をもたらす範囲のものがあります。
これら石嶺・鉄線は、瑕疵あるキズとは見なさない前述「石紋」とは異なり「軽度の瑕疵」と捉えらる例が多くなります。
                                                          山口j一(山口そう一)
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端渓各坑の石質分析=広東省地砿局提供 広東省肇慶市 端硯 地質調査報告