「料紙とは?」 かな書道必須の「料紙」 料紙のことなら書道用品専門店みなせ 神戸・元町     
 名筆・名蹟を輩出した平安文化、その根幹を担う料紙は当初中国舶載品でとても貴重品でした。    
    この貴重品「料紙」が平安文化華やかな日本で発展を続け現在に繋がる「かな書」必須の用紙になりました。
 
「全懐紙/半懐紙/2×6尺判などの大判料紙/古筆臨書用紙」
廉価版から専門家がさがし求められる高級料紙・特殊料紙まで実に豊富な品揃え。
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料紙とは? /  全懐紙、半懐紙とは?   料紙の大きさ
『全懐紙・半懐紙・料紙の種類など≪料紙全般≫掲載の頁へ
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「料紙」とは “料紙”には「字を書く紙」をはじめ多くの意味があります。
ここでご案内します料紙は“書で使う紙”「料紙」
です。
「料紙」の本来意は、文書をはじめ典籍=書籍・本、経典等の文字を書くときに使用する紙全般を指します。
料紙の原紙は、主として楮紙・雁皮紙(古くは“斐紙”と言う)・三椏紙・麻紙の三主要和紙を中心に、更にこれら紙料を巧みに組み合わせ製紙した鳥の子紙など様々な紙が用いられ、昨今では機械漉きの洋紙を原紙とした料紙も稀ではなくなっています。これらの紙のうち麻紙は白麻,黄麻を紙料に製紙した紙で奈良から平安期のはじめころに多く利用され、写経用紙の主要原紙としても利用されました。
楮紙は、その紙料「楮(コウゾ)」が日本のほとんどの地域に自生し、この「楮の木」の若枝部分を主紙料に製紙したもので「楮」の「紙」=「楮紙」と、そのまま紙名になりました。
原料たる楮の木は、日本の多くの地で豊富に自生し、且つその紙料繊維は強靱で実用性にすぐれていますので、古くから楮繊維は日常の生活に利用され、楮繊維を主紙料に製紙した紙=楮紙は料紙の用紙としても主要な位置に立ち続けました。
楮や雁皮などの紙料を巧みに配合し紙面抵抗感を調整して製紙した紙を原紙に、装飾等々の手を加えてつくりあげたものが「料紙」で、この場合の「料紙」は「書くための紙」を意味し、この主要原紙の一つ「楮紙」は昨今では書、それも仮名書を書くのに使用する主要紙の位置を確保し、更にこの紙に様々な装飾を加えた紙の一部が料紙原紙の一定の割合を占めます。
書を離れ、且つ狭義に「料紙」を言う場合は「装飾加工紙」の全般を指します。
書画用に作られた紙のうち、漉き上げたまま何ら手を加えていない紙を「生紙」「素紙」などと呼びます。
「生紙」「素紙」に何らかの手を加えたものを 「加工紙 ( 中国では熟紙 )」と言い、これら多様な加工紙のうち、主として“かな”の書作品向きの、仮名作品のなかでも細字から中字「かな作品」向きに基本紙質や装飾を含め更に手を加えた紙を「料紙」と呼びます。近代以降、料紙の「大字かな作品用紙」も準備され、「漢字作品」への使用例も増えています。 
料紙の加工方法 :
長い料紙の製作歴史の中、加工する人たち個々の工夫が積み重ねられ、製作手法は実に多様、多層。
「ドーサ引き/膠引き/染紙/ぼかし染/具引/砂子振/切箔振/野毛振/布目≒絹目/筋目/ローラー掛け(ローラー仕上げ)/砧うち/型打ち/ぼかし型打ち/型抜き/具引剥奪/具引型剥奪/具引揉み/染め揉み/全面ローセン/型ローセン打ち/・・・」 等など様々な加工方法が単独で、或いは複合し施されます。
更に、これらの中の只ひとつの加工手法をとっても使用材料、加工者=料紙作家、・・・、により「出来上がる料紙」は数多の変化を見せます。
平安朝期に料紙が国産化されるまでの「初期料紙」は、中国舶載の熟紙(=漉いた紙に何らかの手を加えつくられる“加工紙”)のうちの「ローセン紙」「型打ち紙」「玲金紙」など高級熟紙が貴重な“料紙”として使用されました。
やがてこれら舶載の貴重紙を真似ることではじまった日本の料紙は、時の流れとともに独自の発展を遂げ、中国熟紙とはひと味違う精緻、且つ煌びやかな中にも落ち着きを感じさせる日本の美、≪日本の料紙≫へと進化しました。
  その性格上、料紙の品種品数は正に無数と言って過言ではありません。 
  ここでの料紙ご紹介は弊社取り扱いのごく一部に止めさせていただきます。
  
料紙の寸法   全懐紙・半懐紙・・・⇒基本規格は「全懐紙」     ≪料紙規格表≫へ
平安朝期から近代に至るまで「懐紙 (1尺6寸×1尺2寸=約48×36cm)」が料紙の基本寸法で、後にこの寸法を持つ精緻加工紙を全懐紙と呼ぶようになりました。
時の流れの中、(全)懐紙を半分 に裁断した寸法を「半懐紙 ( 8寸×1尺2寸=約24×36cm )」と呼ぶようになり、これに対応し「懐紙」本来の寸法「1尺6寸×1尺2寸=約48×36cm)」を「全懐紙」と呼ぶようになりました。
現在の全懐紙寸法は約50×36cm(半懐紙 約25×36cm)が主流で、時間流につれ僅かずつとは言え変化しています。また、この料紙寸法は、料紙の作家個々により多少の異なりがあり、料紙基本規格を離れたものも稀ではありません。
料紙として作られた紙を基とする「全懐紙」「半懐紙」の地位が確立し、近代書アートの花開く昭和後期(1960年代当初期)には2×6尺判など数々の規格の料紙が制作されるようになりました。
これにより小作品・細字作品向けが中心だった「かな書作品」の一部は、「大壁面」を飾る大作への参加を果たし、時を合わすかのように日展を頂点とする書道の公募展は過去にない盛況を見せ、以降大判の料紙を用いたかな書大作品が一機に増えました。
古筆臨書に重要な紙面抵抗感の調整、これを含め色調、型打ちの様子等々は各古筆本体にあわせつくられ、更には多様な「古筆」の臨書にそのまま利用出来るようにと、各古筆と同寸法の「古筆用紙」も、それぞれの古筆に応じ作られ、仮名書の勉強にあたり臨書に適切な紙を求める苦労も、少し以前、昭和後期頃までの様子とは様変わりし、地域性はありますが、多くの場合には比較的容易に入手できるようになりました。
料紙の基本規格(大きさ) 基本 現在
全懐紙 判 1尺6寸×1尺2寸=約48×36p 約50×36p 料紙作家により微妙に異なる。
半懐紙 判 8寸×1尺2寸=約36×24p 約36×25p        〃
以下は、書の公募展規格の変遷と共に大型壁面を飾る書作品の必要性が増えた1960年過ぎから一気に広がった新たな規格を含む、弊社が現在製作し、在庫を心がけている料紙規格の一部です。
全紙 判 2尺3寸×4尺5寸=約70×135p
半切 判 1尺1寸5分×4尺5寸=約35×135p
1×3尺判 1尺×3尺=約30×90p
2×6尺判 2尺×6尺=約60×180p
尺八=1.75×7.5尺判 1.75×7.5尺=約53×225p
画仙紙の全紙・半切・2×6などの寸法へ
 
1900年代後半、特に1965年頃から料紙の加工技術が進み、懐紙判と大差ない品質に仕上げられた半切・全紙・2×6尺・・・など大判の料紙仕上げ加工紙が現れ、その後も引き続き更なる発展をみせています。
21世紀はじめの2002年前後から、日本独自の発展をとげてきた料紙のうち普及品レベルの料紙比で同程度と呼んでもよいだろう、とも捉えられる料紙生産が、一部の加工方法に限られますが中国で始まりました。
これより少し前、1998年頃から中国で料紙を造ろうと試行錯誤していた一部の輸入関係者が「料紙らしく見えるもの」を造ったりはしていましたが料紙にはほど遠い代物でした。この時代以降も料紙料紙製造の指導が続き、中国での料紙生産技術と管理体制は、多少とも整ってきたようにも感じられます。
実生産者・管理者を含み料紙を国外で指導し、つくり、販路に乗せる方々の、料紙への、見た目だけではなく、線質や撥墨等々への関わりを熟慮した真っ当な自覚のもと、紙質向上を常に考慮された生産指導を望みます。
山口そう一

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