2005年新着情報・・・・端渓、老坑について
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2003年度の端渓老坑・坑仔巌大量買付で充分な在庫を得た「みなせ」にとって、2004年度は契約の必要もなく、たまに工場へ老坑などの現況問い合わせをしするぐらいで、問い合わせの都度「状況に変化はない」との返事が入っていました。

2005年春、やや在庫が寂しくなってきましたので「老坑や坑仔巌、麻子坑等などの端渓硯」を買い付けようと、いつもとおり工場の出荷価格・在庫状況などを問い合わせました。
その返信1970年代に戻ってしまったのかと思える程不明瞭、更に老坑は提示硯数も極端に少なく、その価格は驚くような数字が並んでいました。
以下は「何故、提示数が少ないのか、また価格は何かを間違えたのではないか」との問い合わせに対し
2005/5/20日に着いた肇慶硯工場の「長々と理由を説明」する返信FAXの要約です。
2004年終盤から始まった端渓の、特に「老坑」への新たな需要は、大人口を抱える中国ならではの凄まじいものだったようです。
肇慶硯工場からの釈明文要約です。 
『みなせさん、こんにちわ。
社長がおっしゃってた老坑硯の各寸法については、提示した価格が高すぎる為おそらく納得していただけないのでしょう。原料の石材価格が数倍も上がった為、今の価格は前回契約時価格より非常に高くなっています。去年の価格では原料を買うことすらできません。その原因について簡単にご説明致します。
T 老坑は国家が保護している資源で、20世紀末ころから長きにわたり採掘が許されていません。
みなせ注:1 
採掘環境の改善⇒大量採掘⇒過剰在庫⇒過剰在庫解消まで新たな採掘が禁止されました。
一部が喧伝する原石層減少による採掘中止ではありません。
 
 
以下は「みなせ注」の詳細です。

 1918年に閉坑された老坑は、ほぼ半世紀後の1972年に再開されましたが、更に1980年、旧入り口の真横約20メートルのところに新入り口が設けられ、大西洞はおろか水帰洞の更に下部まで直行できるようになりました。
採掘現場の環境が大きく改善された結果採掘量は大巾に増え、老坑の常であった「需要より供給が少ない」と言う微妙な需給バランスが崩れてしまいました。
増産につぐ増産によりもたらされた原石の過剰在庫、旧入口(=旧坑と言われる)からの入坑していた時代の採掘手段では滅多に掘り出せなかった大型の硯材や逸材の大量出現。
しかし老坑と言う貴重石材への政策上、過去の超逸品に匹敵するような逸材も含めた原石が大量に採掘され「過剰在庫に陥っている事実」を公表できる環境ではありませんでした。
1998年11月に起こった老坑原石盗難事件の警備見直しを口実に採掘は中断、その後西江の水位が下がらない年が2000年まで続き老坑採掘は物理的に不可能、老坑原石の過剰在庫を公表し採掘中断を発表する必要性は生じませんでした。

2001年採掘期になり水位が下がったのにもかかわらず採掘しない、続いて翌年も同様事態が続きました。
これにより老坑採掘中断と言う異常事態の説明が難しくなった同年暮れ、とうとう老坑管理人は「老坑原石の過剰在庫」を認めるとともに「老坑の閉鎖」を発表し、適正在庫に戻るまで老坑は再開しないことになりました。
採掘済みの原料=原石は日に日に少なくなっています。
以前はほとんど捨てられていた程レベルの石質原料も今は皆が買いあさってありません。
みなせ社長が何度も硯の愛好家や専門家のお客さん達を案内して参観された老坑坑口付近の道や近くの地面まで数十万元も出して掘り出す人がいます。
過去に見向きもされなかった程度の原料がすでに売り切れ且つ値が上がって行っています。
U 老坑は西江(中国南部を代表する大河)の川縁から僅かな距離しか離れていない老坑坑底から採掘され、高価であることは誰もが知っています。この高価なものを皆が金儲けのため、或いは人にものごとを依頼するのに送ったり、とすることが価格を吊り上げる結果となっています。
※みなせ注U 
肇慶硯工場の話を補完する意味で急遽中国へ飛び「上海」「浙江省」など中国を代表する文房四宝関係者達に直接「最新の老坑状況」を尋ねてみました。

肇慶の説明と大筋で同じ内容で
「経験したことのない現象です。一般人民が老坑を蒐集するなどかってなかったことが起きている。一定の成功を収めた金持がステータスシンボルとして老坑を求め出した。それに加えて“気のきいた贈答品”としての利用が特に増えている」
とのことです。
V 2003年より全国の各省、各市で端渓硯ブームがおこりました。特に肇慶では2度にわたり“端渓硯文化祭り”を催したことなどが奏功し、去年は“中国の硯の都”という名誉に浴しました。全国的に端渓硯を重視することになり、且つ高級な硯を追求するようになりました。特に老坑、坑子岩など高価な原料が争って求められ価格が高騰しています。
W 中国国内で硯の売買をする人間がこの2年くらい非常に増え、多くの北方の人間が肇慶に常駐し、買い付け、加工を行い、北京、天津、瀋陽等に卸販売をしています。
彼らはどんな原料でも買い付けするため、これも価格高騰の一因となっています。今の価格は4000元/立方です。同時に人件費までも値上がりしています。
これが現在の中国国内の実情です。あらためて市場を見直していかなくてはならず、我々は引き続き合作していきたいと思います。
また社長のお考えをお聞かせいただき、交流したいと思います。 
2005年12月8日  暫く新たな展開が無く更新していませんでしたが新情報が届きました。
今まで地方政府である「肇慶市国土資源局」の管理下におかれていた「宋坑」「麻子坑」までもが「広東省国土資源局」の管理下移された、とのことです。
老坑、坑仔巌の中国国内ブームに端を発した「採掘済みのこれら原石不足」の程度は硯工場によりかなり差がありそうです。
予てから「その言動に信頼感がある=正直に話してくれる」と感じて信頼し、「端渓」の契約・品質鑑定などを一任しているこの工場は今回も如何にもその通りの話題を提供してくれました。
曰く
「自分たちの工場には価格高騰前に集めた原石がまだある。しかし価格は他の工場や老坑などの管理者から睨まれるから今の価格でないと契約しない」です。
更に、自分たちの工場ではないが、ごく最近「老坑、坑仔巌の5〜8吋クラスを2000面契約した日本の商社がある。売れ筋を買い集め今の価格高騰に乗じ販売するらしい」とのことです。
みなせは少ないときで3000面、多いときは3万面程度を契約してきていますが、
ここのところ、契約意欲の湧く原石が減少したこともあって「老坑」のみを契約するときは数百面止まりの時もあります。
この日本商社が「老坑・坑仔巌の特によいもの」だけで2000面契約をしたのならまだまだ採掘済みの原石在庫は大丈夫と言うことに落ち着きますが、坑仔巌の定型分も含めての2000面なら「老坑・坑仔巌次の採掘許可は何時下ろされるのだろうか」と再開の時期が心配になってきます。
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