端渓のまことを伝えたい 時の流れとともにその時代時代の端渓を綴りました。
2006年
  硯の頁トップ みなせH.P.トップ


端渓 新資料の流れ 〜  2006年 
    1999年 2000年 2001年 2003年 03年 U 2005年
2006年 2007年 2008年 「 端渓のまことを伝えたい 」のトップへ

2006年新年早々・・・・
2005年5月に届いたオファーでは驚くべき値上げ率を連絡してきた肇慶(端渓産地名)の工場ですが同年12月に入り、多少とも強気の気配が弱まったオファー、及び現況報告をしてきました(その一部、北嶺で稼働している端渓産出坑の現状は“端渓の誠を伝えたい”本文の主な端渓(硯)産出坑にも掲載しています)。
現況報告は、2005年年初め頃から突如起こった「老坑」「坑仔巌」など高級端渓の中国国内贈答用需要は未だに衰えないものの、当初期待したほどには販量が伸びていない。
「肇慶市国土資源局」の管理下におかれていた「宋坑」「麻子坑」の硯管理者までもが「広東省国土資源局」の管理下移されたなどますます管理は厳しくなるとの見込みからで全体として強気な姿勢を崩してはいませんが、実際の意味合いは“出来ることなら契約して欲しい”と読み取れました。

これにより昨年5月時点と比べ契約内容改善の期待が多少でも膨らみましたので、2006年1月新年早々肇慶へ行き老坑をはじめとする端渓各坑の現状、各坑原石の在庫状況、価格動向などを調べると同時に新たな契約も済ませ1月13日に帰国しました。
以前は毎月のように、多いときには一ヶ月に二度三度と訪れていた時期もあった街ですが今回は本当に久しぶりでした。
肇慶の街自体は「中国南部観光の目玉“七星岩”」を中心に持ち、最近の中国国内観光ブームもあり大いに賑わっているのにも拘わらず廃業したホテル、もうすぐ廃業しそうなぐらい手入れの出来ていないホテルなどが目につきました。交通事情が改善され宿泊は「七星岩の現地“肇慶”」よりズーッと設備の整った「広州市内」で・・・、肇慶は昼閧フ観光で訪れる、と言う形が定着したそうです。
以下は主な端渓産出坑にも書き加えましたが
2006年1月肇慶行、この時点で「北嶺」で採掘されているのは「宋坑」のみ、
「梅花坑」は1970年代既に南嶺の麻子坑坑口よりやや南に新坑を開き、そこで採掘されている
事を知りました。2006年、旧の北嶺、梅花坑周辺は住宅地に変貌を遂げているとのことです。⇒別荘地としての利用が主の様子です。更に自然環境保全の大儀が加わったとのことです。
北嶺で採掘されていた「白線巌」「結白巌」等については聞き漏らしましたが、「北嶺」で採掘されているのは「宋坑」のみとのことですので、現在は採掘していないのだと思います。
以降、宋坑採掘坑周辺も「住宅地・別荘地」になりました。
と言うことでした。
老坑・坑仔巌を含め端渓各坑ともかなり価格UPしていましたが商品自体は豊富でした。
しかし、老坑、坑仔巌とも採掘し過ぎが招いた原石過剰在庫を解消するため販売を急ぎ、佳秀な硯材から販売を進めたので、高級硯材の数は多くても特別満足するというような逸材が少なく結局トータルで530面のみの契約に終わりました。
原石での契約が多く、硯に仕上げてから船積みしますので入荷するのは2月後半から3月になりそうです⇒少し遅れまして4月10日前後の通関になりそうです。
    
06年4月14日通関、無事入荷しました。

今回入荷の老坑・坑仔巌坑は勿論のこと、初心者の使用にも適する価格になった宋坑・麻子坑共々充実した在庫状況になりました。         
墨を基調とするアート、
書や水墨画の専門家に望まれる「硯としての基本品質」を第一に、実用的な作硯のものを契約・輸入してきました。その基本を踏襲した契約を心がけながらも、今回は「特に素晴らしい石質の老坑硯材」に施される伝統的な精緻作硯を既になされ、肇慶の硯工場で「飾られていた老坑」、素材の素晴らしさに躊躇なく契約したその老坑硯も入荷のひとつです。
                    
2006年10月末頃肇慶のいつもの工場からFAXが届きました。
曰く 「日本の硯輸入業界は一体どうなっているのですか?」 
これは以前にも聞いたことのある言い回しです。日本へ輸出する硯の契約量が大幅に減っているのです。
毎年3回から5回程度の契約を続けてきたみなせも今年(06年)は1月に契約したまま、その後は全く契約していませんし肇慶の硯工場が持つ老坑などの硯の在庫状況を尋ねることすらしていません。
今までの契約・輸入済み分の在庫が十二分にあるからです。

このFAXに続いて硯の現物写真が大量に送られてきました。それに前後して、またまたFAX、そして電話が何度も入りました。
とうとう日本語通訳を臨時で雇いカタコトよりは少しましな程度の日本語を話す女性から硯工場ですが、と電話が入りました。
旧暦とはいえ今年も年度末が見えてきた中国です。かなり営業成績が悪く販売を焦っているようです。
1年ほど前までの値上げ一辺倒の強気姿勢は微塵も感じられません。

みなせにはまだまだ在庫があります。
端渓「宋坑」「麻子坑」「坑仔巌」などの規格品はそれこそこちらが輸出したいくらいの在庫があります。
現状では全く契約する必要はないのですが長い付き合いの工場です。送られてきた写真の硯はいずれも「老坑」「坑仔巌」の逸品ものばかりです。
佳い硯を見ると欲しくなってしまう、契約したくなってしまう・・・、
こちらの弱みを充分知っている商談に引き込まれこの現物を契約する方向で話を進めています。
8吋〜12吋までの大きさで10吋前後が中心、実用に適した作硯の写真が数多く入っています。
来年に(2007年1〜2月頃)入荷すると思います。ご期待下さい。
⇒2007年1月25日、無事全量入荷しました。
現物確認が常識の端渓逸品ものを「送られてきた“硯の写真”と長年にわたる付き合いで感じてきた“信頼すべき工場であるとの自己認識”」を信じ契約・輸入しましたが全く間違いのない逸品揃いでした。
在庫が充分だった「老坑逸品もの」「坑仔巌逸品もの」は更に充実した内容になりました。
送られてきた
画像の一例
追、老坑・坑仔巌は相変わらず肇慶各硯工場手持ちの原石販売が進まず(硯として仕上げるには至らず)
過剰在庫のままです。これら各坑の再開許可はまだまだ先のことになります。
端渓 新資料の流れ 〜  2006年 
    1999年 2000年 2001年 2003年 03年 U 2005年
2006年 2007年 2008年 「 端渓のまことを伝えたい 」のトップへ
端渓 序文へ みなせトップへ