筆 の 原 毛 に つ い て  猫(玉毛) みなせトップへ 筆トップヘ
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狼=鼬(いたち) 玉毛=猫 狸&狢(むじな) 鹿&山馬 羊毛(山羊) 
貂(てん) 猪 ( 豚 ?) 化学繊維/ポリアミド繊維(ナイロン) 筆の実  兼毫??  


 玉毛=猫
猫も弾力の強い原毛の一つです。
兔の毛もそうですが、特に猫の毛は「綿毛」を取り去ることに労力をとられます。
筆に使用する毛は何れの獣毛でも「綿毛」を取り去ったあとの「」なのです(私が製筆する有馬筆の先輩職人達は「烈」と呼んでいました。正式な呼び方は《保護毛(刺毛)》とのことです)。100グラムの原毛から猫では「保護毛(刺毛)」が7グラムぐらいしか残りません(日本狸では65〜75グラム前後残ります)。
左が「茶玉 チャダマ」、
右が「白玉 シラタマ」

原毛の梱包から一つかみ 掴んで撮しました。もうすこし多めに撮った方が雰囲気がでたようです。
小動物なので小筆の製造がほとんどです。                 
古筆のいくつか、特に「高野切」は猫の毛(玉毛=タマゲ)の筆で書かれたとされ、高野切の臨書筆の原毛にも使用されます。
性質は弾力豊かで毛先も滑らか、墨持ちもよく、綿毛をとる作業以外は比較的楽に作業できる毛です。

鼬(イタチ)筆の剛性を増すのに、鼬に似た茶色の猫毛=茶玉=を混入することもあるぐらい弾性豊です。

製筆作業により毛先に「玉」状のものが出来るから「玉毛=タマゲ」と呼ぶとか、毛先部分にふくらみがあるから「玉毛=タマゲ」と呼ぶとか、「玉毛=タマゲ」と呼ぶ由来にもいろいろあるようですが、私の製筆経験から毛先に「玉」状のものが出来るという現象は感じられません。また、毛先部分にふくらみがあるというのも感じたことはありません。これは、私の感覚が鈍いのが原因かも知れません。
私の先輩職人達は「猫の名前はどこでも大抵《玉=タマちゃん》」だから「玉=タマチャンの毛」で「玉毛=タマゲ」と言うんだと説明していました。
私が製筆時に感じる感覚と併せて、私も 《 猫の名前はどこでも大抵タマちゃん 》 と説明しています。

タマゲは白玉(シラタマ)=白色の毛、茶玉(チャダマ)=茶色の毛の二種(毛の色だけのことですが)が中心です。三毛猫の毛、黒猫等が入荷することもあります。これらの毛は猫の個体差により、また取れる部位により弾力・毛先の滑らかさに差がありますが、毛の色による差はありません。毛の色による差があると感じる職人もいるようですが、それは、当然のことながら比べる個体差が原因であると思います。

私が使う猫は白玉、茶玉が主で、他の色のものはほとんど使いませんでしたし、今も使っていません。

猫の毛を含め、原毛は何れも原毛商から入荷していました。
原毛商と筆・刷毛などの製造所との関係は深く、原毛商は納品先の職場の職人構成を知り、その使用する毛の種類・量などを完全に把握し、毎年必要な種類と量の原毛を届けてくれていました。

私が10歳前後のころまでは、自宅の仕事場前の庭先で原毛を炊いて油抜きの予備作業をしていました。それも中学生になる頃には既に原毛商でそれら作業を済ませた毛が入荷していました。
それぞれの動物の毛は薄皮に着いたまま、動物によっては皮からはずされ毛だけになった状態で、既に油ぬきの予備作業を済ませ入荷するようになっていました。
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